開業社労士への道のり④
2003年に福岡県に転居し、実家から遠く離れた地ではありましたが、程よく都会で物価も安く食べ物も美味しいので、このまま福岡に住み続けてもいいなと思っていましたが、2014年に再び夫の仕事の関係で神奈川県に転居することになりました。
不登校になってしまった子供は、結局中学を卒業するまで一度も教室で授業を受けることはありませんでしたが、明るく話しやすいスクールカウンセラーの先生に出会い、週一回は学校の相談室に通えるまでになっていました。
認知症で介護施設に入所している母も落ち着いて生活できるようになったこともあって、再び仕事をすることにして、採用されたのが障害福祉サービスを行っている企業の人事総務部でした。
履歴書や採用面談で「社労士を目指しています」とアピールしたこともあり、入社後は主に社会保険の手続き業務を担当することになりました。
これまで入退社や算定基礎届・労働申告書作成等の経験はあったものの、私が過去に人事の仕事をしている頃には、結婚後に仕事を続けている女性社員はいても、妊娠出産して育休を取得する社員は皆無だったため、産休・育休の手続きは入社後に一から学びました。
一方、2019年から受け始めた社労士試験の方は、総合点では基準をクリアしていたものの、労働一般という科目で二回続けて一点足りないという結果に終わり、もう一生受からないんじゃないかぐらい凹みました。
でも、職場の上司や同僚も応援してくれてましたし、出産前に目指していた税理士を途中で断念したことへのリベンジでもありましたので、とにかく社労士は合格するまでやる!!という決意のもと受験した2021年の試験で無事合格を手にすることができました。
社労士の資格を取得後、しばらくは、そのまま勤務社労士として人事総務部で働くつもりでいました。ただ、入社後会社が急成長し、社員数も年々増加して業務量も増えていく中で、自分のキャリアやワークライフバランスについてもいろいろと考えるようになっていきました。
私は、小さな会社で経理を中心に管理部門全般の業務を担当することが多かったため、大きな組織で業務を分担しながら人事の仕事をした経験はほとんどありません。
また、社労士試験で勉強した就業規則の整備や労働安全衛生の業務についても関わりたいと思いましたが、他に担当者がいるので直接的に関わることはできませんでした。
そのため
「このまま勤務社労士として働いていく中で、社労士の資格はどこまで活かせるのだろう?」
「もっと、様々な業務に携わるためには自分で開業することも視野に入れていく必要があるのではないか?」
そんな気持ちを抱くようになっていきました。
また、50代になってから採用されましたので、定年の60歳は目の前に迫っています。定年後に社労士として開業することもできますが、そこから営業活動して果たして開業社労士としてやっていけるのだろうかという不安もありました。
いろいろ考えた末、今後は仕事と育児・介護の両立をしている人や障害者を持ちながらも自分の持つ能力を活かして働きたいと思っている人を支えられる社労士になりたいという思いが強くなり、開業することにいたしました。